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愛善みずほ会創立75周年

はじめての菜園 vol.1-2

家庭菜園に適した場所選び

① 日当たりの良さ
 野菜の栽培をしていくにあたり、一番重要なのが日当たりの良さになります。植物は光合成によって生長していきますが、日当たりが悪いと自分の体をうまく合成することができずに生長が止まってしまうなど、トラブルを起こす原因となります。
 まず基本は、日がしっかりと当たる場所を選びましょう。

② 風通しの良さ
 特に風通しの悪いところでは、湿気が溜まりやすくカビや害虫が増えやすい環境となります。
 植物もカビや害虫が多いと、病気や食害によって枯れてしまう場合があります。風通しの良い環境では、これらの被害を軽減することができるため、できるだけ風通しの良い圃場を選びましょう。

作付け計画を立てましょう

  基本的には自分の作りたい野菜を挑戦していただきたいのですが、野菜によって栽培する難易度が変わってきます。
 ここでは、野菜別に難易度の表を作成しましたので、こちらを参考にして、作付け計画を練っていただければと思います。
 作りたい野菜が決まればどこに何を植えるか考えてみましょう。

  下の図には参考として畑の設計図を考えてみました。


 背の高くなる野菜は株と株との間を広めに、葉物は15㎝程度、その他の野菜(トウモロコシを含め)は30㎝程度間隔をあけて植えます。また管理作業が必要となるため通路は60㎝ほどあるとよいでしょう。レイアウトが決まると、必要な苗や種の数がわかりやすくなります。
 また野菜は、同じ場所に同じ野菜を植えると生育が悪くなるため、次の作付けのためにも設計図を残しておきましょう。 

まずは土づくりから

 土づくりとは、野菜にとって生育しやすい環境を整えることです。

 ではどのような土が野菜づくりに適した土壌なのでしょうか?

① 土が柔らかくふかふかしている
 土がふかふか(団粒化)しているのは、土の中に隙間が沢山あることを意味しています。
 土が柔らかいと、植物の根はどんどんと地中深くまで伸び、自分の体を支えることはもちろん、しっかりと張った根で水や肥料、そしてミネラルも十分に吸収することができます。
 バランスよく養分を吸収した野菜は、順調良く生長し病気にも負けない健康な体を作ることができます。もちろん食味、栄養価も高まります。
 また、大小さまざまな隙間がたくさんあることで、余分な水は抜けやすく(排水性)、必要な水分は保持(保水性)し、土の中の水分量を一定に保とうとする力が生まれ、植物にとっても居心地の良い環境を整えてくれます。

② 肥料持ちがよい
 土には肥料を蓄える力(保肥力)があります。
 保肥力の強い土や土づくりした土では、特に与えた肥料を一旦、土が抱きかかえ、植物の根が伸びてくるとその肥料を渡し、根に負担をかけないような効果があります。一方、砂などの保肥力が弱い土では、せっかく与えた肥料が雨などで流れやすく、何度も肥料を与えないと育たないことがあります。
 また一度にたくさん肥料を与えすぎると、直接肥料が根に当たりいわゆる肥料焼けを起こし、枯れてしまう場合もあります。

③ 多種多様な生物が生息している
 土の中には多くの数、種類の微生物が存在しており、1円玉と同じ重さの土で約1兆もの微生物(培養できる微生物の数)が観察された例があります。
 良い土には、この微生物が多種多様で多く、土の豊かさを作り出しています。

土づくりの方法

 土づくりの方法は簡単です。植物繊維をふんだんに含んだ堆肥を投入することです。あとは微生物たちが堆肥を分解し、どんどん土づくりを進めてくれます。
 「肥料が植物のごはん」だとすれば「堆肥は土のためのごはん」です。堆肥が土と混ざることで土が柔らかくなり、根が張りやすい環境を整えてくれます。
 また堆肥が分解して出来る腐植は、通常の土と比べ約10〜30倍肥料を蓄える力があるといわれ、肥料持ちが良くなります。
 そして、堆肥を餌とする植物にとって良い微生物が繁殖しやすくなり、悪さをする微生物の活動をおさえることができます。

1月・2月の作業
〜寒起こしと土づくり〜

 新しい畑や休んでいた畑を、スコップや鍬を使って粗めに土を耕します。(深さ30㎝程度)
 土を寒さにあてると次のような効果が期待できます。
・土中の水分が凍結、乾燥を繰り返すことで土が細かく崩れやすくなり、ふかふかした通気性の良い土へと変化します。(土壌の団粒化促進)
・寒さによって、野菜に悪さをする害虫や病原菌を減らす効果があります。
※寒起こしする際に、堆肥などの有機物を一緒に混ぜると、より土が柔らかくなり土づくりが促進されます。

3月・4月の作業
〜種まき〜

 3月に入ると上旬には桃の節句、下旬にはお彼岸、早い年では桜の開花と、徐々に春の足音が聞こえてきます。ご自身の地域で桜の開花が始まってくるといよいよ種まき開始の合図です。
 家庭菜園をはじめてすぐは、園芸店で苗を購入して育てたほうが簡単でお手軽ですが、慣れてくるとタネから野菜を育ててみたいと思うようになってきます。
 野菜には直接畑に播かないと育たないもの(大根、人参などの根菜類)や、ポットなどで育苗したほうが良いものがあります。
 下図では直接畑に播くもの、ポット育苗した方がよいものを分けていますので、参考にしていただければと思います。


 

発芽を成功させるポイント

① 水分
 乾燥して眠っているタネに、水分を含ませることで活動を開始させます。

② 空気(酸素)
 タネが発芽する際に多くの酸素が必要です。発芽の失敗の多くが、水のやりすぎによる発芽不良です。水のやりすぎに注意しましょう。

③ 温度
 タネによって発芽適温があり、特に春先では温度が低く発芽しにくいため、トンネルなどで保温することが必要になります。
 その他、上手に発芽させるコツとして、種を播く深さをタネの大きさに対して約3倍の深さで播くこともおススメです。