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愛善みずほ会創立75周年

愛善みずほ会創立70周年に寄せて-14

〝みろくの世〟の姿「天産物自給経済」を目指して

■ 「食・農・環境」を人類愛善運動の主軸に

 平成6年12月、社団法人「愛善みずほ会」は機構改革を実施。大本教団では本部内に農事部を新設し、愛善みずほ会と教団本部とが一体的な活動を行う体制が整う。
 しかしその矢先、平成7年1月17日に、阪神・淡路大震災が発生した。大本本部ではその年のほぼ前半すべてを被災地への救援活動に全力を注いた。そのため6月4日に開催された人類愛善会創立70周年記念式典は、犠牲者へ弔慰を表する意味で、対外的慶祝行事はいっさい催さず、静かな雰囲気の中で執行された。
 そのときの記念式典(亀岡市天恩郷・万祥殿)でご挨拶にお立ちになった四代教主(人類愛善会総裁)は、70周年を契機とした新しい愛善運動の方向性を、次のようにお示しになった。

 「文明が発達し、私たちはその恩恵に浴しましたが、同時に化学肥料や農薬、工業廃水、核実験の影響などにより、大地も空気もずいぶんと汚され、いろいろな問題が起こってまいりました。(人類愛善会)三代総裁(出口直日三代教主)が、8年間の活動休止の後、昭和46年に愛善会を新発足され、愛善新聞を再刊されましたのも、高度経済成長が深刻な公害をもたらし、環境問題に取り組まなければ、日本も世界も大変なことになるということからでございました。(中略)
 やはりお米も野菜も安心して食べられるものを国内で、できるだけ自給自足でき、何か災害がありましても、一応食べるお米があり野菜がある状態でないと困ると思います。
 身近な所で水や土を汚したり、いろいろと自然環境を損なうことを続けますと、遠く海の魚にまで影響が出てくるということです。これからまだしばらくは、そういう被害は続くと思いますので、これからの愛善会の運動としては、自然環境や農業の問題を中心にみなさんに考えていただいて、それを運動の主軸としていければと願っております。
 日本がそういう面で立派な成果をあげれば、それはもう世界のお手本にもなりますし、そういうふうになれば、と思っております。
 (人類愛善会)初代総裁(出口王仁三郎聖師)の示された人類愛善運動の理念を高くかかげ、運動は現実の『足もと』を見ていかねばならないと思わせていただいております」(「人類愛善新聞」平成7年7月1日号)

 四代教主のこのときのご挨拶がきっかけになり、以降、教団・人類愛善会は〝食・農・環境〟に照準をあてた諸活動を強力に推し進めることになった。
 並行して愛善みずほ会では、平成8年1月に農事部とともに事業部を新設。同年8月には愛善みずほ会館前広場に事業部売店「DOMO(ドーモ)」を開店。愛善酵素農法で栽培した無農薬野菜をはじめ、自然・健康食品など、安全・安心な商品を広く販売する事業を開始した。