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愛善みずほ会創立75周年

愛善みずほ会創立70周年に寄せて-10

〝みろくの世〟の姿「天産物自給経済」を目指して

■ 愛善精神と〝お土のこころ〟

 昭和46年、三代教主は「おほもと」誌新年号の対談中、農薬公害に対する強い危惧〈きぐ〉の念をお述べになり、これを受けて同年度の教団方針には「新しい日本の家庭つくり」を実践目標として、有害食品の排除、季節食の奨励、農薬や化学肥料の使用中止等が掲げられた。そして信徒農家に対しては、農薬を使わない稲作、畑作が呼びかけられた。
 同年8月に入ると、昭和38年以来8年間活動を停止していた人類愛善会が新発足した。その新発足に際し、三代教主は次の言葉を寄せられている。

「昨夏(昭和46年8月7日)、父(出口王仁三郎聖師)の生誕100年を期して、人類愛善会の活動を更に活発化して、人間の立て直しと新しい人類文化の創造をめざして、すすましていただくことになりましたが、何が文化、文明であるかといいますと、父は、親愛の情の極めて広大な者を文明人といい、反対に親愛の情の狭く小さな者を野蛮人ということができる、と示唆〈しさ〉に富んだ表現で指摘しています。つづまるところは愛善精神の有無にあります。
 経済のゆきづまり一つみましても、経済の根本は、天地のご恩を感謝し、ものを大切に生かさしていただく愛善精神にあると思います。それが、感謝のおもいも薄く、求め使い捨てては次々と新しいものを追いかける経済のあり方に変わってから、ものは豊富になっても、かえって欲望はつのるばかりで、さまざまな社会悪のもとになっています。
 その上、大量生産、消費によって、地上にいろいろな公害現象が起こり、人類だけでなく地上のすべての生物の生命をむしばみつつあります。
 いかに経済的な繁栄の中にありましても、愛善精神をもたないのでは、まことの文明とはいえないのです。
 その意味で、新発足後の人類愛善会はまず脚下照顧、人類の立つ足もとである、この大地を愛し、そのご恩を感謝することから第一歩を力強く踏みはじめたいとおもいます。
 日常をお土のこころをもって人びとに接し、また身近な公害や公害草を除去しつつ、やがて大きな人類の平和・愛善世界の建設につながりたいものと念じています」(「人類愛善新聞」昭和47年1月号)

 教団は、昭和49年から、「正食」をテーマにした対外講演会を開催した。