〝みろくの世〟の姿「天産物自給経済」を目指して
■ 穏やかな気候になる〝みろくの世〟
今日、日本だけでなく、全世界のいたるところで、異常気象による自然災害が多発しているが、大本信徒の希う〝みろくの世〟(大本の神示による理想的な地上天国)では、このような自然災害はかげをひそめ、穏やかな気候になることが次のように示されている。
大本の根本教典である『大本神諭』には、
「艮神〈こんじん〉(国祖・国常立尊〈くにとこたちのみこと〉)の世になれば、神激しき世になるぞよ。人民穏かな世になるぞよ。人民の心が直れば、お降雨〈しめり〉も思う如〈よ〉うに戴〈いただ〉けるぞよ。思う儘〈まま〉の世に成るぞよ。世界中良くなるのであるから、速く研〈みが〉いて下されよ。神頼むぞよ」(明治29年旧8月23日)
「今度天地の岩戸が開けたら、草木〈くさき〉も、人民も、山も、海も光り輝いて、誠にそこら中がキラキラ致して、楽〈たの〉もしい世の、穏やかな世になるぞよ。
是〈これ〉が誠の神世〈かみよ〉であるぞよ。
雨も欲しい時分に降り、風も欲しい時に吹いて、人民の身魂〈みたま〉も清らかになりて、天下泰平、天地の身魂が勇む世になるぞよ。
月も日も、モット光が強くなりて、水晶のように、物が透き通りて見え出すから、悪の身魂の潜〈かく〉れる場所が無きようになるぞよ」(明治36年旧6月4日)
また『霊界物語』(大本根本教典)には、神代〈かみよ〉の昔のエルサレムの話として、国祖の大神(国常立尊)が地上神界〈しんかい〉の主宰神〈しゅさいじん〉として神政を担われていたときの様子が、次のように示されている。
「国祖 国治立命〈くにはるたちのみこと〉(国常立尊)出現されし太初の世界は、風清く澄み、水きよく、空青く、日月〈じつげつ〉くもりなく、星は満天にうるはしく輝き、山青く、神人はいづれも和楽と歓喜に満〈みた〉され、山野〈さんや〉にはもろもろの木〈こ〉の実〈み〉、蔓〈つる〉の実 豊熟し、人草〈ひとぐさ〉はこれを自由自在に取りて食〈くら〉ひ、富めるもなく貧しきもなく、老いもなく病〈やまひ〉もなく死を知らず、五風十雨の順序正しく、あたかも黄金時代、天国楽園の天地〈てんち〉なりき」(第10巻第15章)
大本でいう〝みろくの世〟とは、この「黄金時代」に立て直すことを言うのであるから、右のお示しからも、五風十雨の恵みを順序正しく頂ける気候となることが予想される。
さらにまた、愛善みずほ会の目標でもある「天産物自給経済」については、『大本神諭』の中に次のように示されている。
「艮〈うしとら〉の金神〈こんじん〉が表面〈おもて〉に現われて、世を構うようになると、今迄〈いままで〉の様〈よう〉に、我善〈われよ〉しの世の持ち方はいたさせんから、思いの違う人民が多数〈たっぴつ〉に出来てくるぞよ。
金銀を用いでも、結構に地上〈おつち〉から上がりたもので、国々の人民が生活〈いけ〉るように、気楽な世になるぞよ。
衣類〈きるい〉食物〈たべもの〉家屋倉庫〈いえくら〉までも変えさして、贅沢〈ぜいたく〉な事はいたさせんぞよ。(中略)
金銀を余り大切に致すと、世は何時〈いつ〉までも治まらんから、艮の金神の天晴〈あっぱれ〉守護になりたら、天産物自給〈おつちからあがりた〉其〈そ〉の国々の物で生活〈いけ〉る様〈よう〉にいたして、天地へ御目に掛ける仕組がいたしてあるぞよ」(明治26年旧7月12日)