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愛善みずほ会創立75周年

愛善みずほ会創立70周年に寄せて-19

〝みろくの世〟の姿「天産物自給経済」を目指して

■ 〝みろくの世〟への過渡期

 そして本年(平成30年・2018年)、愛善みずほ会は創立70周年の佳節を迎えた。この年は奇〈く〉しくも、出口なお大本開祖が昇天して満100年に当たる記念の年でもある。
 ここまで見てきたように、大本の教御祖〈おしえみおや〉様方(開祖、聖師、歴代教主・教主補方)による農に対するみ教えは、開教以来今日まで全く揺らぐことなく、一貫して変わっていない。
 その中で、愛善みずほ会の目標でもある「天産物自給経済」のみ教えについては、一般の目から見ると、実現不可能なユートピアに映るかもしれない。しかしここで、明治25年の大本開教のころに、開祖が一塊のお土を蒲鉾〈かまぼこ〉板にのせておっしゃった言葉を、改めて思い出させていただきたいと思う。

 「お土があるから皆が生きていられるのじゃ。百万円の金よりも一握りのお土の方が、どれほど大切かわからぬのじゃ。金は世の淪亡〈ほろび〉の基〈もと〉じゃぞよ。世界中の人にこれがわかって来たら、この世がみろくの世になるのじゃ」

 21世紀に入ってから早くも18年。この間、日本国内はもとより世界各地において大三災(風水火)や小三災(飢病戦)が頻発する様子は、犠牲になられた方も多いだけに、心を痛め、ご祈願する毎日だが、その一方で、このような時代に生を享〈う〉けた私たちだからこそ、開祖が預言された〝みろくの世〟への過渡期に生きている者としての使命と責任があるとも思われる。
 自然災害をもたらしている原因の一つ、地球の温暖化も、元々は人間自身がその原因をつくったものである。ひるがえって、その原因を取り除き、新しい世界をもたらすことができるのも、また人間自身である。今、私たちは、初心〈うぶ〉で幼いお藤さんのような素直な心になり、大本、愛善みずほ会の中から世界の模範となるような良い型を出して、〝みろくの世〟の建設に心をあわせて努めさせていただきたいと願うものである。